ヴァイオリンのレッスンでよく聞かれるのが「どんなテキストを使ったらいいですか?」というご質問です。迷いますよねぇ、楽譜売り場にはどうしたらいいか困るくらいの楽譜があります。
おすすめのテキストや楽譜の選び方をご紹介します!
楽譜ってどうやって選ぶの?
まずは基本的なところから。楽譜売り場に行くと、教本、曲集、演奏の編成順、あとは出版社別などに分かれて楽譜が陳列されています。インターネットの楽譜屋さんでも多分同じような分類です。
さて問題。あなたが探している楽譜はどのジャンルになるでしょうか?だいたいここでみなさんつまづくようです。わかる!その気持ち。
先生から○○版のモーツァルトの楽譜とか、この出版社のこれね、と言われていれば早いですが、多分お探しの楽譜はそうじゃないパターンですよね。
教本(いわゆるテキスト)
まず技術的なことを学びたいのであれば、教本(テキスト)を探してみましょう。基本的な内容であれば、ヴァイオリンの構え方が載っているもの、どこかの技術に特化したいならばそのジャンルの本です。最近は技術論も細分化されているので、意外とピンポイントのテキストもたくさんあります。
ヴァイオリンソロの曲集
弾いて楽しい楽譜なら曲集で探すといいかも。ピアノ伴奏やCD伴奏で楽しむヴァイオリンソロの楽譜など、本当にたくさん出版されています。1stポジションで弾ける!と明記してあるものはかなり簡単に編曲されているのでお手頃です。
ポップスや今流行っている曲をヴァイオリンで弾く、という場合も曲集で探すといいですね。
編成別はつまりアンサンブルです
編成別はヴァイオリン二重奏や三重奏、あとは弦楽三重奏や四重奏、ピアノが入った重奏など、本当にいろいろなアンサンブルがあります。この辺りは一緒に弾くメンバー の顔ぶれを見て、それに合う編成の楽譜を準備しましょう。
ちょっと迷うのが、いわゆる編曲がされているアンサンブルの楽譜の曲集と、作曲家オリジナルの作品が混ざって置いてあるケースです。もしクラシックの作曲家の作品だったら、その曲だけが入った楽譜を購入することをおすすめします。大体が洋書になるのでお値段お高めです。
ジブリやディズニー、ポップスの曲集は日本の出版社からもたくさん出ているので、中を見て弾けそうかなと思う楽譜で大丈夫です。
作曲家別はオリジナル曲の楽譜です
この作曲家のこの曲が弾きたい!と決まっているならば、作曲家別のコーナーへ。オリジナルの楽譜がいろいろあります。でもモーツァルトの同じ楽譜が何冊もあって、お値段もすごく違う!というケースも多いですね。これはまた別の記事で紹介します。
クラシックのヴァイオリンを勉強している方は、必ずオリジナルの楽譜を購入することになります。買う時は先生に必ず出版社を確認してくださいね。違う出版社の楽譜を購入して買い直しというのは私も過去にたくさんやりました。涙。
ぜひ使ってほしい楽譜をご紹介!
ではざっくりとバイオリンに役立つ教本を紹介します。ヴァイオリン講師歴25年でよく使った楽譜たちです。
- 基本の技術を学ぶ(音階)
- ある技術に特化(ヴィブラート)
- 音楽全体をざっくり見る(初心者向け)
- そして番外編
基本の技術はこれで!
まずは練習の基本と言えば音階、スケールです。音階、弾いていて楽しくないけどやらない訳にはいかない音階。良い思い出があまりなく、試験を彷彿をさせる音階。あぁ音階(これぐらいにしておこう)
私の師匠は音階とアルベジオ(分散和音の音階ね)だけちゃーんと弾いておけば、どんな曲だって弾ける!と豪語していました。学生の当時は「そんなわけないじゃん」とやや反抗的になったりもしましたが、あぁこの言葉は真実だったかも、と感じることもしばしば。
とりあえず最低限のことはやっておきましょう。今はイヤでもあとからの財産になります。ホントです。ということでおすすめなのは、子どもから大人まで使える
「小野アンナ音階教本」(音楽之友社)です。
わかりやすい音階の本はいろいろ出ていますが、ほとんどこの小野アンナさんの本から派生したと言っても過言ではないです。スケール、重音、簡単なポジション移動など、基本事項はすべてここに書いてあります。
中表紙に優しそうなアンナさんの写真があって、子どもの頃は必ず写真見てから練習してた。アンナさんはソビエト出身の方で、日本人とご結婚されて日本に来た、という話がなんか好きでした。
もし小野アンナ音階教本を弾き尽くした!という方がいらしたら、次はコレ。
カール・フレッシュ音階教本
全部の調が長短ですべて掲載、ヴァイオリンで使う左手のテクニック(ヴィヴラート除く)はここに全部あります。
が、しかし見るだけでイヤだ!の代表的スケール教本。どんだけ嫌いなんだ私。ちなみにこれ、ヴィオラ版もあります。チェロもあったな。カールフレッシュめ。
ヴィヴラートだけやりたい
ヴィヴラート。私も苦手です。なんせ体が硬くて、子どもの頃に先生からお酢を飲め、と言われるくらいガッチガチの体だった。ヴァイオリン持つとなおさら硬直してた。
でもヴィヴラート、かけないと演奏が一本調子になる訳です。いまだになんかもうどうしようかな、とか思います。あぁ。
そこでおすすめなのが、最近出版されたこちら
ヴィヴラート教本 ヴァイオリンのための ズデニェク・ゴラ著 山﨑千晶訳(音楽之友社)
これは2017年に出版された教本ですが秀逸!ヴィヴラートの運動の基本、メカニズム、習得のしかたがリズムよく掲載されていて、確実にヴィヴラートがかけられるようになっています。私もこれでかなり改善しました。
私のレッスン受けている方には必ず紹介しているので、あぁアレね、と思う方も多いかも。この本以外もいろいろあるけど、とりあえずゴラさんの教本でOK!
ヴァイオリン・テクニックと心得 ズデニェク・ゴラ著 山﨑千晶訳(音楽之友社)
ちなみにゴラさん、ヴァイオリン奏法についての本も書いていらして(訳も同じ山﨑さん)初心者向けというよりもある程度の技術を持っていて、さらに向上するための内容となっています。これもおすすめよ。
ヴァイオリン初心者にはやっぱりこれ
初心者におすすめというこのワード、インターネット上にあふれるほどの情報がありますね。でも初心者の方は素直にレッスン受けましょう。それが一番の近道です。ホントです。
独学やyoutubeのレッスン動画(いや、本格的な素晴らしい動画もたくさんあるよ)で勉強しました!という方に、大勢レッスンでお会いして来ましたが、まぁなかなかに大変な状況におちいっている方も多くって。もっと弾きやすい方法があるのになぁ、と痛感するし、ご本人も直すのが本当に大変。何倍もの時間と労力、そしてお金がかかる。
レッスンを受けるって、客観的な視点を持つ人に自分を見てもらう時間なんですよ。だから自分で客観視できる人は、実はレッスンがあんまり必要ない。でもほとんどの方は弾きながら客観視するのはむずかしいよね。私もできない(プロとしてどうだというのはさておき)だからレッスンで見てもらうって初めの頃にこそ必要な時間です。さあレッスンへGo!
話がそれました。おすすめのテキストはこちら。
新しいバイオリン教本 兎束 龍夫 ,篠崎 弘嗣 ,鷲見 三郎 編(音楽之友社)
やっぱり王道は大事。3巻ぐらいまでは使いやすいです。
鈴木ヴァイオリン教本 才能教育研究会編(全音楽譜出版社)
王道その2。なんだかんだ言って良い曲が多いのですよ。CD付いてるのも人気だけど、今はyoutubeで見られちゃうからな。私は曲集として利用してます(鈴木メソッドは学んでいません)
篠崎ヴァイオリン教本 篠崎弘嗣 著(全音楽譜出版社)
三大ヴァイオリン教本みたいになってきたけど、やはりこちらも王道。2巻くらいまでは使えますが、とにかく内容が濃い長い。全部弾いてたら数年かかる。良いとこ取りで。
レオポルト・モーツァルト ヴァイオリン教本(全音楽譜出版社)
モーツァルトのお父さんがヴァイオリン教本を書いているんですよ。知ってましたか?でも初心者にはちょっと大変かも。ご参考まで。
番外編は演奏以外の本をご紹介
まぁヴァイオリンを弾くっていうのは、大変な技術です。否定しない。毎日練習しないとだし、ある程度の音が完成されるまで何年もかかります。なんでこんな楽器をと思うけど、それでもやっぱり面白いのがヴァイオリン。
レッスンを受けたり、ちょっと弾けるようになると疑問がたくさん出てきます。音楽のルールや音楽の歴史。そう言えば中学高校の音楽の授業でやったかな?いや小学校??ということもたくさんありますよね。
そんな時ちょっと勉強しておくと良いかな的な本をご紹介します。
すぐわかる!4コマ西洋音楽史2~バロック中期~ロマン派初期~(ヤマハミュージックメディア)
音楽史、やっぱりちょっとは知っておいてほしいです。バロック、古典、ロマン派あたりの言葉で大体どのくらいの時代か、あとはざっくりした楽器の話。ヴァイオリンって意外と最近の楽器なんですよう。
音楽用語の基礎知識 久保田慶一編著(アルテスパブリッシング)
音楽辞書のような作りですが、案外使いやすくレッスンで先生が言ってた言葉ってなんだっけ?みたいな時に調べてください。私もわかったつもりの言葉を改めて調べてます。音楽史、音楽用語、音楽のしくみ(楽典)、和声など幅広く掲載しています。
みるみる音が変わる!ヴァイオリン骨体操 矢野龍彦著 遠藤記代子著(音楽之友社)
ヴァイオリン弾いていて体が痛い、肩がこる、腰が痛いなど体の不調を感じたことありませんか?そもそもの体の使い方に問題があるのかも。ということでヴァイオリンに必要な体の使い方の本です。全員に当てはまるかはわかりませんが、こんな視点で演奏を見つめるのもとっても大事。
いかがでしたか?とっても長い記事になってしまいましたが、厳選してご紹介しました。やはり長く使われている教本はそれだけ内容が完成されているなぁと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。


